自然の中から生まれた医学

私の身近には、親族や友人を含め美容外科以外の診療科で医師としての仕事をしている仲間がたくさんいます。
医師になるには、大学の医学部で最低6年間は学ばなければなりません。そして国家試験に合格すれば医師免許が与えられます。その後の二年間は臨床研修医として総合病院で医師としての基本を鍛え、それから各個人が希望の診療科に籍を入れることになります。やはり数が多いのは内科系(消化器内科・循環器内科・糖尿病内科など)や、外科系(消化器外科・整形外科・心臓血管外科など)を選択する医師が多く、私の周囲も同様です。

その中で美容外科を選択する医師は、かなり少ないと言ってよいでしょう。
理由はいくつか考えられます。まず、美容外科は大学の講義の中でもほとんど扱われることがありません。健康保険が適応される医療機関で行うのは、病気(各臓器が正常な状態を維持出来なくなった状態)を健康な状態にもどすのに対し、美容外科で行う診療のほとんどは、極めて臨床的であり、治療対象である患者様一人一人によって、目的・方法・結果が大きく異なります。美容外科では患者様一人一人に違った目標があり、その到達点に合わせるもしくは少しでも近づけることが治療になります。
したがって、講義で教えるもしくは教わるということが非常に困難であり、身近に感じる診療科ではありません。
あとは、イメージの問題もあると思います。例えば、効果のない治療を高額で提供していたり、患者様が望んでいない治療を半ば強引に勧めてみたり、適応や手技を誤ることで発生する事故やいわゆる失敗例を頻発したり、という事例が現在も一部のクリニックで行われているという現実があり、そのため美容外科は医療機関ではなくどちらかというと美容外科を悪とするイメージを払拭出来ていないのが現実だからです。このイメージを変えていくのが水の森美容外科の役割であり、まだ多くの年月が必要になることでしょう。

では、保険診療が行われている診療科と美容外科との共通点は何でしょうか?
例えば、きちんと説明を行い、患者様に納得して頂いたうえで治療を行う(インフォームドコンセント)ということや、手術の基本手技などが共通点であり、医療の基本になります。
それと、私が思うのは、すべての医学は大自然の中から生まれた知恵を基に成り立っていると考えています。

人類は、進化を経て現在の外観、骨格、臓器、血液などの身体の要素を獲得してきました。
そして、日々生活し老いていく中で、加齢や外的異物に接することによる感染症や癌細胞の発生によって、身体の一部に正常でない変化が生じるという自然現象に抵抗する術として医学が発達してきました。

美容外科は、正常である人体の外観に直接的に手を加えることが出来る治療を担当しています。
ですので、正常な構造をより美しくするために、手術や施術の正確な技術が大切な事は言うまでもありません。そのために人体の各部位の解剖を理解し、その原則に逆らわないように、どこをどう修正していくのが正しいのかを伝える事が私達の大切な仕事だと考えています。